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【特別号】Chromebookの2019年を振り返る

2019年12月28日

様々な動きがあった今年のChromebook情勢を振り返ってみたいと思います。

日本のChromebook、ブレイク前夜?

今年の最大のニュースは国内でようやくChromebookが認知され出してきたこと。
大きな要因はアマゾンプライムセールの対象となりChromebook特集ページができたことと、ビックカメラ全店でChromebook専門コーナーができたこと。

昨年までのアマゾンセールイベントではChromebookは空気同然ですが、今年はまさかの厚遇。それもあってかアマゾンジャパンで正規販売店による販売ページが大幅に増え、かつて幅を利かせていた並行輸入業者によるぼったくり価格での出品が激減。新しいモデルが適正価格で入手できるようになり、Chromebook購入のハードルが大きく下がりました。

さらにビックカメラでの取り扱い開始の報せも。今まではヨドバシカメラなんかでも店員さんに「Chromebookってあります?」と聞いても半笑いで「ないです」という感じだったので、状況の変化を感じます。

今まで影の薄かったHP、Dell、Lenovoの存在感が増す

Chromebookと言えばAcerとASUSが先行しておりやはり強かったのですが、今年は国内でも米国勢のHP、DellとLenovoが大きく存在感を増した印象です。

HPは最近多く取り上げられている通りの販売攻勢で「本気出してきた」感が強い。Lenovoは古くからChromebookを販売しているもののヒットに恵まれなかったのですが、アメリカでLenovo C330が大ブレイク。その勢いに乗ってS330、S340と畳みかけてきた印象で、一気にメジャーへ。特にLenovo Chromebook S330は日本でも2万円台で入手できるとあって、大きなインパクトを残したのではないかと思います。

一方でDellはGoogleと正式にパートナーシップを組んで「Latitude Chromebook Enterprise」シリーズの販売を開始。個人向けの販売はありませんが、かねてよりChromebookの次の目標(これまでは米文教市場で制圧済み)とされていた「職場」への進出の足掛かりとなりそうです。国内でも展開しているのでこれから先が楽しみです。

クラムシェル型Chromebookの良さが見直される

昨年くらいまでプレミアムモデルと言えばディスプレイが360度回転するフリップタイプが標準的で、クラムシェル型の存在感が小さくなっていた時期がありましたが、ここのところASUS Chromebook C425、C423やChromebook S330、Pixelbook Goなどのクラムシェル型も再び盛り返してきた印象です。

Googleはかなり前からChrome OSとAndroidとの融合を目指すと言っていたのですが、昨年辺りからトーンダウン。現状あまり進んでいない印象です。それもあって今のところあまりフリップタイプにこだわる必要性が無くなってきたのかもしれません。私もクラムシェル型のChromebookを愛用していますが特に不便なし。Androidアプリに関しては、Chromebookに標準搭載されているウェブストアのもので大体コト足りるのであまり使っていません。

フリップタイプに対する気持ちはと言うと最近買い替えたAmazon Kindle Fire HD 8が最高で私のタブレットの使用目的である「電子書籍を読む」という点がクリアされたことで「今はクラムシェル型でいいかな」と思うようになっています。先のトピックともつながりますが、今後はタブレットかクラムシェル型かという二極化に進むのかもしれません。

Chromebook モデルの動向

Chromeobookのデザインについてはさほど大きな変化はなく一部モデルで「テンキー」が搭載されたくらいです。

指紋認証機能もPixelbook Slateに搭載されて以来、続くモデルは今のところありません。期待されていた顔認証機能も空振り。

敢えて言うとすればCPUがCeleron N4000辺りが標準になってきたことくらいです。来年も多くのモデルが投入される予定ということなので、引き続き注視したい。

AMD製APU搭載のChromebook、続々

AMDがChromebook用にAPUを開発し既に搭載が決定しているモデルが存在するようです(後述)。発表済みのAPUは「A6-9220C」と「A4-9120C」の2つ。既にChromebookに搭載実績を積んでいるIntel CeleronのN4200とN3350を見据えたものになります。

共に2コア/2スレッドでクロック数はA6が1.8~2.7GHz、A4が1.6~2.4GHz。プロセスルールは28nmでRyzenのコアを積んでいる訳ではなくVegaが入っている訳でもありませんが(A6のグラフィックチップはRadeon 5、4はRadeon 4搭載とのこと)、AMDによると競合品(N4200とN3350)と比較して、Web読み込み+13%、メール送受信+250%、画像編集+33%、ゲーム+34%のスピードアップを実現したとのことです。かねてよりChromebook搭載への壁となっていた(と思われる)TDP(消費電力のようなものです)は6w TDPとIntel製と比べて全く遜色のないものとなりました。ノート型PCではバッテリー持ちと発熱の面でTDPが大切になるのですがここの課題がクリアされた形です。以前のA8シリーズやA6シリーズは15TDPで、通常のノートPCに搭載されるのにとどまっていましたが、ようやくといった感じです。

ASUSがタブレット型のASUS Chromebook CT100を発売

Acer Chromebook Tab 10に続きASUSがタブレット型「ASUS Chromebook CT100」を発表。

ASUS Chromebook CT100
初のタブレット型Chromebook

中身・外見ともにAcer Chromebook Tab 10とほとんど同じですが、重さが約520gのAcer Chromebook Tab 10に比べ約50g増量した分、堅牢性が増しているとのこと。違いはそれくらいです。スペックをおさらいしておくとCPUにSamsung Chromebook Plusなどに搭載されている「OP1」、9.7インチディスプレイ(2048×1536)、メモリ4GB(LPDDR3)、ストレージ32GB。サイズ238.8×172.2×9.9mmで重量は586g。入出力端子はUSB Type-Cx1のみ。Acerと同じくスタイラスペンを内蔵しています。

ASUS Chromebook CT100もAcer Chromebook Tab 10と同様にスタイラスペンは本体左側面に収納。何もそこまで真似しなくてもいいじゃないかと思いますが、外国人は左利きも多いため気にならないのでしょうか?いずれにせよあからさまな競合品が出てくるということは、Acer Chromebook Tab 10がある程度の成功を納めている証で喜ばしいこと。いまひとつ話題にならずひっそりと姿を消すというChromebook-Cの2の舞は避けられそうです。今後もより薄くて軽いタブレットタイプを追及していただきたいところ。

Bluetoothに関する新機能2つ

8月初旬にリリース予定のChrome OS バージョン76にて、新たにBluetooth子機のバッテリー状況を示す機能が搭載されるとのこと。Bluetooth子機はバッテリー状況が読めず、突然バッテリーが切れたりするので、表示されれば助かるのですが、Bluetooth側でそのような機能に対応している必要があるか等はイマイチ不明。

また、バージョン76で来るかどうか分かりませんが、もう1つはFast Pairと呼ばれる機能が来るらしいです。Fast Pairは平たく言うと、GoogleのアカウントとBluetooth機器が紐づけられ、例えばアンドロイドスマホでBluetoothを設定すると、Chrome OS側でも設定されるようになるとのこと。ひと手間減るという感じですかね。

Googleがタブレット製造から撤退したことについて思うこと

Googleが「タブレット製造事業」から撤退しました。なぜ「タブレット事業」から撤退ではなく「タブレット製造事業」から撤退と書くかというと、製造から撤退するものの、今後も作りたいメーカーがあればサポートするとのこと。Pixel Slateのサポートも継続していくようです。

Pixel Slateが定着しなかった要因は何か

現在進行中だった(と思われる)プロジェクトを破棄してチームも解散したということは、Googleのタブレット製造事業は失敗といって差し支えないところ。確かPixel Slateの発表が去年のことなのでかなりのスピード撤退となります。ただ、Pixel Slateは戦略的な意味合いが多分にある製品で、初めからあまり売れるとは思っていなかったんじゃないかという向きもあるので、完全に失敗とは言い切れない部分もあるのですが、取り敢えず失敗したものという前提で考えてみます。

失敗の要因は様々あると思いますが、まず第一にiPad一強のタブレット市場においてなかなかサードパーティーの協力が得られなかったという点があるようです。Chrome OS向けと、死に体のAndroidタブレットに最適化したアプリを開発することに対してサードパーティーが2の足を踏むのも致し方ないところ。なぜなら、現状iPadに対抗できそうなアンドロイド・タブレットは存在せず、そもそもタブレット市場自体が先細り状態。独り勝ちのiPadですら、5年前と比べると出荷台数が激減している模様。

今回のPixel Slateに目を向けると、やはりタブレットとしては値段が高すぎる。似たようなスペックのSurface Proなどと比べてもかなり割高です。プレミアムChromebookとして捉えるなら「あり」ですがその場合キーボードの値段など考えるとPixelbookを選んだほうが無難な印象も。そう考えるとやはり立ち位置が中途半端な感じが否めません。そもそも教育市場に強い土台を持つChromebook。プレミアムモデルは(Pixelbook含め)どちらかというとChrome OSの可能性を示すためのものであまりそこで売り上げをとは考えていないでしょう。

そういった意味でもタブレット全体が地盤沈下しているなか、これ以上タブレットを作っても仕方ないと考えたとしても不思議ではありません。また、価格設定からして、ハナから売上が立つとは考えていなかったのではないかと思える節もあります。

タブレットが死んだのはなぜか

スマホの大型化がタブレットの存在意義を薄めたのはその通りだと思いますが、見逃せない要因としてChromebookの台頭があるのではないかと思います。

そもそもタブレットの良さは気軽に取り出してブラウジングといったところですが、キーボード付きのChromebookならブラウジングは無論、メールやGoogle Docsなどの作業も容易。タブレットモードになるフリップタイプならなおさら。Chromebook登場以前なら外に持ち歩くサブ機としてはノートPCかタブレットかという選択でしたが今はChromebookがサブ機としてファーストチョイスになっているといって過言ではないでしょう(アメリカでの話です)。

Chromebookの重さがハンデになりそうですが、そもそも車移動中心のアメリカ人は重さに関心がないうえ、タブレットもメールやGoogle Docsなどの作業をするとなると外付けキーボードが必要で結局重くなるため、さほどタブレットにアドバンテージがありません。

また教育市場でも(アメリカの)どこどこの地域の学校がタブレットからChromebookにスイッチした、というニュースを度々目にします。アメリカ人の小学生たるものキーボードなど不自由なく使えて当然。頼みの教育市場でもそうなってくるとタブレットは本当に死に体です。

日本はどうかというとそもそもChromebookという選択肢がない(知っている人が少ない・知っていても安かろう悪かろうのイメージが強い)ため、サブ機としてはタブレットがファーストチョイスになっていてもおかしくない。個人的にはマウス(ポインター)が使えないタブレットは、ノートPC代わりに使う気にならず。iPadなどを敢えてノートPCとして使う方の中には「(この使いづらさも)iPadに対する愛を試される試練」だの訳の分からないことを言う人はさておき、やはりタブレットはノートPCとしては使いずらいというのが概ねの意見と思われます。タブレットでできることが全てこなせるChromebookがサブ機として選択肢に入ってくれば満足する人も確実に存在するものと思われます。

2019年総括

もうそんなに進化の伸びしろがないかな、と思っていたChromebookですが、そんなことはなかったです。来年も気になるニュースを中心に続けていきたいと思います。

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