現在開催中のCESでLenovoがマグネット着脱式のキーボードを備えた2 in1 のChromebook「IdeaPad Duet Chromebook」を発表しました。
ディスプレイサイズは10.1インチで、ヒットモデルASUS Chromebook Flip C101PAと同じサイズです(解像度は別)。
本体に加えてキックスタンドカバー、着脱式キーボード付属で価格は$279からと非常にお値打ち価格となっています。携帯性に優れ、タブレットとしても使えるモデルで、需要が多く見込めそうなモデルです。それでは詳しく見てみます。
「IdeaPad」ブランドである意義
今回発表されたモデルには名前にIdeaPadがついています。Lenovoはビジネス向けのThinkPadなどを展開していますが、IdeaPadはLenovoが2008年から育てている消費者向けPCブランドです。DellのInspiron Chromebookも同様ですが、長期にわたり育ててきたブランド名をつけて売り出すところにLenovoの本気を感じます。
前置きはそれくらいにして、スペックを見ていきます。

IdeaPad Duet Chromebookの特徴とスペック
ディスプレイサイズは前述の通り10.1インチなのですが、解像度1920 x 1200のタッチ対応で、輝度400ニット。ちなみにASUS Chromebook Flip C101PAは解像度が1280×800。サイズを考えると解像度が大いほどよいというものでもないのですが、IdeaPad Duet Chromebookはタブレットとして使ったときの体験も重視したモデルと言えます。
重量もキーボード無しの状態で426gと、iPadなどと比較しても遜色ない重量に仕上がっています。
モデル | IdeaPad Duet Chromebook |
---|---|
ディスプレイサイズ | 10.1インチ(1920×1200) |
タイプ | キーボード着脱式 2-in-1 |
ディスプレイ仕様 | タッチ対応 IPS 400ニッツ |
CPU | Mediatek Helio P60T (オクタコア) |
RAM | 4 GB LPDDR4 |
ストレージ | 128GB eMMC |
インターフェース | USB Type-C x1 |
サイズ | タブレット本体:約 239.8×7.35×159.8mm キーボードとスタンドカバー装着時:約 244.9×18.2×169.3mm |
重量 | タブレット本体:約 450g キーボードとスタンドカバー装着時:約 920g |
無線LAN | IEEE802.11ac/a/b/g/n |
バッテリ駆動時間 | 最大10時間 |
参考価格 | ¥44,880(税込み) |
インターフェースはUSB-C 1つで、外部ディスプレイ出力・充電はここから。本格的に使うならUSBハブを使うのも1つ。

Mediatek Helio P60Tについて
気になるのがCPUとして搭載されているMediatek Helio P60TというSoC。比較のため、ASUS Chromebook Flip C101PAなどに搭載されているRockChip RK3399(通称:OP1)と比較してみます。ともに、高性能で消費電力も多いbigコアと、性能は控えめながら省電力性に優れたlittleコアを組み合わせた「big.LITTLE」構成となっています。
チップ | Mediatek Helio P60 | Rockchip OP1 |
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littleコア | Cortex-A53 x4 | |
bigコア | Cortex-A73 x4 | Cortex-A72 x2 |
bigコア動作クロック | 2.0GHz | 2.3Ghz |
GPU | ARM G72 MP3 | ARM Mali-T864 |
発売時期 | 2018年 | 2016年 |
省電力時に動作するittleコアはCortex-A53 4つで共通ですが、ハイパワー時に動作するbigコアがMediatek Helio P60TはCortex-A73が4つ、OP1はCortex-A72が2つ搭載されています。少し調べた感じでは、Cortex-A73はCortex-A72をベースに、サーバー向け機能などを全てそぎ落としてスマホに最適化したもので、処理性能・電力効率が3割程度向上したとのことです。
個々の性能自体が高いうえ、数も倍になったbigコアを見る限り、IdeaPad Duet ChromebookはASUS Chromebook Flip C101PAと比較してかなりの性能アップが期待できそうです。OP1も悪い訳ではないですが、流石に4年経つとより良いものが産まれて当然。
ASUS Chromebook Flip C101PAは息子に買ったもので、私が使いこんでいるわけではないので確証はないのですが、少し触った感じだとストレスなく動作し、問題はないです。通常のChromebookとして使う分にはMediatek Helio P60Tで全く問題ないと思います。

まとめ
今まで着脱式のChromebookには12インチのhp Chromebook X2とGoogle Pixel Slateの2つがありましたが、ともに$400を超えており、少々手が出しづらい。
さらにhp Chromebook X2は2Kながらキーボードを外した状態でも結構な重量(735g)があり、タブレットとして使うのは、多少きつそうです。Google Pixel SlateはGoogleがタブレットから撤退していて販売を終了しているので入手のハードルは高いです。
また、ASUS Chromebook Flip C101PAは10.1インチディスプレイを採用して抜群の携帯性を誇り、洗練された見た目も相まってヒットしたモデルなのですが、IdeaPad Duet Chromebookが価格・コンセプト共に一歩リードした形です。
ただ、ASUS Chromebook Flip C101PAも古くなっていることもあり、ASUSからも何か動きがあってもおかしくない。今後はこの分野でも競争が生まれそうで、消費者としては歓迎したいところです。5月初めに発売する予定とのことなので、楽しみに待ちたいと思います。
アメリカアマゾン版は日本直送に対応。英字キーボードが欲しい方は一考の価値ありという感じです。
※品薄状態なので、ほぼ同じスペックで堅牢性をプラスした「ASUS Detachable Chromebook CM3」が現時点ではおススメです。