エイサーがタブレット型Chromebook「Acer Chromebook Tab 510」を発売するようです。
別売りのキーボードをドッキングすることで2-in-1になるモデルとのこと。すでにLenovo、ASUS、HPなどから発売している2-in-1 のChromebookですが、それぞれ特徴があり、やや飽和状態。後発としてどのように差別化を図っているのかに注目しながら見ていきたいと思います。
Acer Chromebook Tab 510はSnapdragon® 7c Gen 2搭載!
「Acer Chromebook Tab 510」は10.1インチで解像度WUXGA (1920 x 1200)のディスプレイを搭載。2-in-1 Chromebookの火付け役となった「Lenovo IdeaPad Duet」と同じサイズです。タブレットとして使うならやはり10インチ前半が限界。
また、Acer Chromebook Tab 510はSnapdragon® 7c Gen 2をチップに採用。Snapdragon® 7c Gen 2は2つのビッグコアを持つ8コアのチップで、GeekbenchではIntel Pentium Gold 6500Yを上回るマルチコア性能を誇ります。
Snapdragonの強みは4G LTE対応のモデムを内蔵している点とWi-Fi接続の信頼性、および省電力性で、バッテリ持続時間は11時間となっています。LTEについてはオプションとのことですが、HPの2-in-1では実現している機能なので、日本でも利用可能になる可能性があります。
RAMは4GBでストレージは64GBまで。インターフェースはUSB Type-Cが1つ、Bluetooth 5、Wi-Fi 5とこの辺りは標準的です。
ミリタリーグレードの堅牢性を併せ持つ「Acer Chromebook Tab 510」
Acer Chromebook Tab 510の大きな特徴がミリタリーグレードの耐久性基準であるMIL-STD 810Hに準拠しており、122㎝からの落下や衝撃、60㎏までの耐圧などに耐える堅牢なモデルです。
さらにディスプレイには定評のあるCorning®ゴリラグラスを採用。この表面には抗菌加工が施されており、悪臭、汚れからの保護と細菌の繁殖を抑えるとしています。 子供に安心して与えられるモデルです。
さらに4096筆圧感知の本体収納型USIスタイラスペンが付属します。
キーボード別売りの是非
キーボードが別売りと聞いて初めはガッカリしたのですが、キーボードを別売りにすることで本体価格が安くなることを考えると「これもありかな」と思います。タブレットだけで使いたい未就学児や小学生が使うならキーボードはおいおい追加すればよいのです。もちろん、初めから買っておいた方が良いに越したことはありませんが。
Acer Chromebook Tab 510 まとめ
ポジションとしては子供向けの堅牢なタブレット型という印象。直接のライバルはASUSのASUS Detachable CM3やCZ1といったモデル。ただし、これらのライバル機種はAcer Chromebook Tab 510と同じく堅牢性はありますが、チップはSnapdragon® 7c Gen 2よりもパフォーマンスが劣るMediatek 8183Cで、LTEには非対応。
ただし、バッテリ持ちという点ではMediatek 8183Cに利があります。
最後に気になるのは価格。今回の「Acer Chromebook Tab 510」は$399からと比較的安価になっています。ただ、別売りのキーボードやキックスタンドの価格が現時点では不明です。タブレット単体ならiPadという強力なライバルがあるので、一般消費者向けの販売でどの程度成功するかは見ものです。
ただアメリカの小学校では3年生になるまではタブレット型を使うとの情報があります。1-2年生まではiPadを使って3年生以降でChromebookを使うことはないでしょうし、Google Classroomの使用が前提の教育市場を見据えたモデルであることは明白。公式サイトでも小学校低学年と思わしき子供の姿しか映っていません。3年生になったタイミングで別売りのキーボードを用意すればそのまま使い続けることができる、息の長いモデルということになります。
北米での発売は6月で割とすぐ。事態の注視を続けたい。